9:50 豊島へ出発
今日は豊島を中心に廻る予定。豊島は見たい作品が一番沢山ある。今回初の高速艇に乗船し、約20分かけて家浦港へ到着。小さな小さな港。島は男木島よりずっと大きいのに港は何故か男木島よりずっと寂れている。
まず最初に一番遠い甲生地区に向かうことに。無料の巡回バスが約20分後に出ることを確認して、荷物の整理や水分補給などを済ませてバスを待つことに。。。

一番の目的はアーストラリアのアーティスト、キャメロン・ロビンスの作品。自然と音を使ったインスタレーション。参加している友人たちの「一押し!」との評判を受けて、かなり期待して観に来た。
バスを降りると塩田千春さんの作品が見えてくる。塩田さんの作品を横目に海岸を行くと驚くほど静かなビーチが現れる。

人っこ一人居ないビーチは本当に静か。波はひたすら穏やかでなんだか天国な気分。どこからか管楽器のつたない音色が聴こえてくる。
音の源をたどっていくと、そこにキャメロンの作品が現れる。打ち捨てられたボートにパイプが設置され、波の満ち引きによって音がなる仕組み。なんともロマンティックな作品だ。彼の作品集が置いてあったのだけど、他の作品も是非とも体験してみたい。
この地区の作品を一通り鑑賞し、再びバスに・・・。次は最も興味深い作品が集中する唐櫃港周辺まで一気に戻ることに。

この地区の最も目玉といえる作品はやはり大御所ボルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」だ。思ったよりもバス停からは距離があるので、1時間200円のチャリを借りて目的地まで行くことにした。
とても暑いのだけど、自転車で風をきりながら走るのは本当に気持ちが良い。
15分程度走って森を抜け、海が見えてくると自転車置き場がある。耳を澄ませばどこからともなく心臓の重低音が響いてくる。
精緻な黒い建物。この中にアーカイブが展示されている。真っ黒な外観とうってかわって内側は真っ白な空間。受付のおネーサンの服装も白衣とLabo感を盛り上げている。
溶けそうな暑さを一気に下げるcoolな空間が心地よい。音のライブラリーとなっている部屋から切り取られた唯一の窓は静かなビーチを映し出している。ずっと居たくなる空間だ。

唐櫃周辺の作品を一通り観たので、再びバスで千代田池付近まで戻り、友人である建築家・安部良氏の作品「島キッチン」を目指す。
訪れた人から口々に島キッチンの噂は聞いていた。かなり期待もしていたのだけど、実際に目の当たりにするととても居心地がよく、かなり長居をしてしまった。勿論、食事もここでとった。大雑把なようでかなりシッカリと計画された空間。でも構えることのないcozyな空間。
大きく張り出した杉板の大屋根の下にある縁台で昼寝をする人たちの姿がこの作品のコンセプトをよく現していると感じた。

今回、旅の掟として「ユックリ・ジックリ」を掲げていたので、豊島で終わる予定だったのだけど、思ったよりも効率的に廻れて時間が余りそうだったので急遽、小豆島に渡ることに決めた。到着していきなり土産物屋に飛び込み、今回の旅で初の土産物漁り。醤油豆やうどん、岩海苔などを購入。そして陽が傾き始めた頃にスゥ・ドー・ホーの作品を観に向かう。まさに夕陽に照らされ始めた作品が旅のフィナーレに相応しい。美しい景色は名残惜しいけど、高松へ向かう時間がせまってきた。

さよなら夏休み。
高松港に着く頃には太陽も水平線ギリギリに・・・。瀬戸内海が朱色に染まって行きます。楽しい旅だったな。腕や顔は島の強い陽射しにすっかりと焼かれ、火照っている。高松の商店街にある銭湯をめざし、昼間の汗と疲れを洗い流し、帰りの時間までをやりすごすことに。。。。
まだまだ暑い日々が続いているけど、この旅が終わって静かに秋がやってくるような気がしている。
